
キリスト教の経典とえいば、たとえクリスチャン人口が少ない日本でも、答えられない人は少ないでしょう。そうです、世界のベストセラーと言われる聖書です。
しかし、意外にわからないのが仏教のよってたつ経典です。ぱっと考えてみても、これといったものが思い浮かびませんね。もしかしたら、般若心経とか聞いたことあるかもしれませんが、これも確かに経典の一つで、大乗仏教における経典です。
ご存じのとおり、仏教には様々な分派があり、経典もいろいろあります。しかし、開祖である釈迦オリジナルと言われる経典は、律蔵・経蔵・論蔵の三蔵と言われる三つの聖典です。
律蔵は僧侶の規則や道徳や生活様式を、経蔵は釈迦の説いた教えを、そして論蔵は釈迦の教えの解釈や注釈が収録されています。基本的には、この三蔵とよばれる経典が仏教の大元の経典なんです。
三蔵というと、三蔵法師を思い出す人が多いかも知れません。じつは、この仏教の3つの経典に通じているマスターの事を、三蔵法師と呼んでいたのです。
三蔵法師は、何人かいますが、最も有名なのは、インドへ陸路で渡った玄奘三蔵法師でしょう。この玄奘三蔵法師は、ご存じ孫悟空が出てくる物語でおなじみの「西遊記」のモデルになったお坊さんなんです。
これら仏教の経典は、釈迦が生きていた時は、文書化を許されなかったので、釈迦の死後できあがったのです。釈迦の言葉と教えが記載された経蔵は、さながら、イエスの言葉がつまったキリスト教の新約聖書に近いのかもしれません。
ところで、キリスト教は聖書とはいえ、聖書には2つあることを知っていましたか?旧約聖書と新約聖書です。一般的には、これら2つはイエス・キリスト以前と以降に分けられます。
旧約聖書は、神と人間の契約を表した書物で、ユダヤ教やイスラム教においても経典とされているものです。つまり、厳密に言えば聖書は、2つの書物でその中の1つは他宗教でも、経典とされているということです。ユダヤ教やイスラム教と違い、キリスト教においては、新約聖書の方が、より経典として重要視されています。
新約聖書には、キリストの生涯や言葉や数々の奇跡、また弟子たちがキリストの死後に書いた逸話や奇跡が盛りだくさんに書かれています。そういった意味では、一口に聖書と言っても新約聖書のほうが、仏教における経蔵にあたると言えるかもしれません。
ちなみに、英語でバイブルという言葉で表す聖書ですが、これはラテン語のビブリアという書物を意味する言葉が由来とされています。
聖書はバイブルと言われるほど、世界中で普及していきましたが、三蔵はどうでしょうか?ご存じのように、日本でもそれを経典とわかる人は、少ないかも知れません。
インド発祥の釈迦オリジナルの仏教は、様々に形を変え、さらに日本でも沢山の分派が生まれました。その分派ごとに経典が発生した仏教は、聖書のような強力な力は持たなかったのかもしれません。
仏教の生まれはインドですが、そのインドにおいてはヒンズー教に押され、仏教人口は少ないと言われます。そういった意味でも、オリジナルの経典のパワーが、伝導力という点において、聖書に比べて弱かった可能性もあるかもしれません。

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